主観器官

孤独に言葉を編んでいる。

2019-01-01から1年間の記事一覧

【ネタバレあり】サムは荷物を運んだ。僕たちは何を運ぶ。『DEATH STRANDING』(後編)【感想】

12月5日にこの記事の前編を書いております。良ければ、読んでもらえると助かります。 hashigo.hatenablog.com 前編では「システム編」として、ゲーム内におけるシステムについてを軸に書きましたが、この後編では「ストーリー編」として自分がストーリーを通…

【ネタバレあり】サムは荷物を運んだ。僕たちは何を運ぶ。『DEATH STRANDING』(前編)【感想】

先に、感謝を述べさせていただきます。 コジマプロダクション様、各関係者様、そして小島秀夫様。 この作品が――ゲームが自分にとってかけがえのない物になりました。 誰かにとって人生を大きく変えてしまったゲームがありますが、私にとって『DEATH STRANDIN…

【ネタバレあり】作品自体が成長し、多角的に描かれる物語性『蒼穹のファフナー』【感想】

2004年7月に放送をしていたアニメ『蒼穹のファフナー』がYouTubeで無料配信されているので、見直しました。公式がここまで大きく、EXODUSまで公開しているのは凄く新鮮で、そして11月にはシリーズ三期目の『蒼穹のファフナー THE BEYOND』二回目の先行上映が…

【ネタバレあり】生きることの難しさを、僕たちは知る『終末のフール』【感想】

伊坂幸太郎さんの『終末のフール』を読み終えました。 この物語の構成は『死神の精度』に近いですが、あれよりも一連の物語の接続性は高いものになっているので、各章に登場するキャラクターには密接な関係性がなくても――『死神の精度』では、担当ごとに場所…

【ネタバレあり】これは私の物語『The Witcher 3: Wild Hunt』【プレイ感想】

無事、『The Witcher 3: Wild Hunt』をクリアした。 率直に言ってしまえば、一週目では足りない。 そんなところだ。 ただ、switch版も出たり、ドラマ版も制作中なので言いたい事は「買って損はない」……だ。 迷うぐらいなら、買うんだ。買った先に、広大な世…

【ネタバレあり】死神は音楽を好み、晴れを見上げる『死神の精度』【感想】

『オール讀物』2003年12月号から2005年4月号にて(その中の一篇だけは『別冊文藝春秋』第255号・2005年1月に)掲載されていた伊坂幸太郎さんの計6篇の短編。 それを群れとして作り上げた『死神の精度』を読み終えました。 本作には「死神」が存在している。 …

【ネタバレあり】伊坂幸太郎さんが描く強盗の爽快感『陽気なギャングが地球を回す』【感想】

伊坂幸太郎さんの三作目『陽気なギャングが地球を回す』を読みました。 『重力ピエロ』は同僚に貸しているので「あとがき」があったのかは定かではないのですけれど、『アイネクライネナハトムジーク』には収録されているのは見直して確認しました。 本作に…

【ネタバレあり】生まれ変わったその先に『アヒルと鴨のコインロッカー』【感想】

伊坂幸太郎さんの五作目である『アヒルと鴨のコインロッカー』を読みました。自分は『重力ピエロ』から手に取って、そこから伊坂さんの描き出す映画を観ているような雰囲気と独特の世界観へと溺れていきました。 『重力ピエロ』、『オーデュボンの祈り』、『…

【ネタバレあり】「あの頃」に見ていた景色を想い出す映画『天気の子』【感想】

平成17年4月17日からの約一年間。朝7時から放送していたテレビアニメをご存知でしょうか。 そう、『交響詩篇エウレカセブン』です。 僕は最初『天気の子』を見た時に『交響詩篇エウレカセブン』を思い出していました。終盤、森嶋帆高が鳥居に強く願いながら…