主観器官

孤独に言葉を編んでいる。

伊坂幸太郎

【ネタバレあり】生きることの難しさを、僕たちは知る『終末のフール』【感想】

伊坂幸太郎さんの『終末のフール』を読み終えました。 この物語の構成は『死神の精度』に近いですが、あれよりも一連の物語の接続性は高いものになっているので、各章に登場するキャラクターには密接な関係性がなくても――『死神の精度』では、担当ごとに場所…

【ネタバレあり】死神は音楽を好み、晴れを見上げる『死神の精度』【感想】

『オール讀物』2003年12月号から2005年4月号にて(その中の一篇だけは『別冊文藝春秋』第255号・2005年1月に)掲載されていた伊坂幸太郎さんの計6篇の短編。 それを群れとして作り上げた『死神の精度』を読み終えました。 本作には「死神」が存在している。 …

【ネタバレあり】伊坂幸太郎さんが描く強盗の爽快感『陽気なギャングが地球を回す』【感想】

伊坂幸太郎さんの三作目『陽気なギャングが地球を回す』を読みました。 『重力ピエロ』は同僚に貸しているので「あとがき」があったのかは定かではないのですけれど、『アイネクライネナハトムジーク』には収録されているのは見直して確認しました。 本作に…

【ネタバレあり】生まれ変わったその先に『アヒルと鴨のコインロッカー』【感想】

伊坂幸太郎さんの五作目である『アヒルと鴨のコインロッカー』を読みました。自分は『重力ピエロ』から手に取って、そこから伊坂さんの描き出す映画を観ているような雰囲気と独特の世界観へと溺れていきました。 『重力ピエロ』、『オーデュボンの祈り』、『…